お昼過ぎに、ドアホンのチャイムが鳴った。
モニター画面に映ったのは、作業着姿のおじさん。
よく声が聞き取れなかったが、「***水道の点検に来ました」 と聞こえたので、「お願いします」 と
私は返事をした。
実は、下水道の工事が2,3日前に終わったばかりだった。
ところが、業者の人が、ホースリールの本体を持ち帰るのを忘れていた。近日中に取りに来ると言って
いたので、てっきりその業者が今日来たのだと思った。
それにしても、今度は何の点検だろう? 作業がきちんとできているか確認するのだろうか?
不思議に思ったので、外に出て、「何も聞いていませんが」 と言った。
作業員は、会社名を書いたネームプレートを首からぶら下げていた。
私の質問に対して、彼は、「どこの住宅メーカーも事前に連絡はしてきません」 と答えた。
私が「どちらの業者ですか?」 と聞いたら、「今、この付近一帯を点検しているものです」 と答えた。
とりあえず、その時点で、私は彼を信用していたので、「お願いします」 と言い、家の中に入った。
でも、落ち着いて考えてみると、やはり変だと気付いた。
点検と称して、異物や劇薬をマンホールに混入されたら困ると思い、慌てて外に出た。作業員の側に
行き、作業を見届けることにした。彼は、「台所の窓はどこか?」 と聞いた。
そして、台所の窓の下にあるマンホールのフタを開け、「ここは、きれいだな」 と言った。
「この前工事をしたばかりですから」 と私が言うと、彼は、何も言わずに、すたすたその場を立ち去ろう
としたので、「点検は終わったのですか?」 と尋ねた。 彼は、「はい、異常ありません。次の所へ行き
ます」 と言って、何処かへ行ってしまった。
やっぱり怪しいではないか。
台所の場所を聞いたりして。 空き巣の下見だろうか?
制服を着て、名札を付けていても、信用してはいけないと思った。
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