2008年12月25日木曜日

指紋採取の思い出

修学旅行中の高校生が、乗っていたフェリーで窃盗疑惑に遭い、男子生徒全員が指紋を採取された。

事件に無関係の生徒、学校関係者にとっては、大迷惑な話だ。

このニュースを聞いて、自分の高校時代を思い出した。

実を言うと、私も高校二年の時、指紋を採取されたのだ。しかも、授業中という特殊な状況で。その時

も、大変なことだと思っていたが、何十年も経った今、あの時の場面を思い返すと、改めて、とんでもな

い状況ではなかったのだろうか、と不思議でならない。

「○○さんと◇◇さんと△△君は、今すぐ指紋を採りに行ってください!!」 △△君が何人いたのか忘

れたが、自分の名前が呼ばれた。授業中に、教室の前の廊下から、突然その叫び声が聞こえてきた。

声の主は、学校の先生でも、警察の人でもなかった。クラスは違う仲良しのAさんが廊下で叫んでい

た。名前を呼ばれた私達はすぐ起立し、教壇に立っておられる先生(何の授業だったか覚えてないの

で、先生の名前も分からない) に許可を求めるポーズをしたと思う。何と言ったのか覚えてない。

先生 は、「すぐ行って来い」 と言われたと思う。その時は、何の疑問も感じなかったが、先生は状況を

前もって 知っておられたから、すぐ許可されたのだろう。そうでなければ、そんなことを先生が黙って許

可されるはずがない。

なぜ指紋を採られることになるのか、名前を呼ばれた私達は当然分かっていた。

窃盗事件の当事者だったからだ。

当時私が所属していた文化系クラブの部室が、校庭の隅にある木製の小屋だった。山小屋風の古い

小さな部室は、周りから少し隔離された感じで、どこか秘密めいている空間だった。

この中に賊が忍び込み、私とAさんを含めた数人の生徒の私物が盗まれたのだ。大人から見れば、た

いした 金額の物ではなかったけれど、当時の自分にとっては、かけがえのない大切な物であったか

ら、犯人 への怒りは相当込み上げてきた。

指紋は、両手のすべての指を、警察官にぐいぐい押しつけられて採取された。とても痛かった。


今回の修学旅行生たちが、何年か何十年か後の同窓会で、この事件のことが笑って話せるようになっ

てほしいと、心から願っている。

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